BAMUのつぶやき

日本人だから感じること・・・

池端会議(識者とは・・・)

小さな田舎町、そこに湧き水でできた小さな小さな池がありました。
小さな山の岩陰にできたこの池には、
いろいろな生き物たちが集まってきます。
夏休みも終わろうとしている暑い日中、
今日も何やら話し声が聞こえてきました。
岩の陰に住んでいる「アカテガニ」と口うるさいカラス君のおしゃべりですね。
ちょっと聞いてみましょう・・・

アカテガニの三吉

「三吉~」、空の上から声がしました。

「お~情報屋」、

「何だいその情報屋って言うのは・・・」

「いつもここにしかいない俺たちにとっては、君の話は全て新鮮なんだよ、だから『情報屋』。」

「そりゃそうか、三吉たちはこんな小さな池にしかいられないんだから、仕方ないもんな。」

そう言ってカラスは岩場へ降りてきました。

「ところで今日は何の話を持った来たんだい?」

「実はこんなニュースが飛び込んできたんだよ」

「いつものテレビでかい?」

「あぁそうだよ、実は東京の話なんだけどさ、若者に人気の駅前にあった市営の駐輪場をさ、相場より安く売っちゃった市長がいるんだって!自分の知り合いにさ・・・」

「よくありそうなことじゃないか、政治家とつるんで金儲けする奴が。」

「確かにそれだけじゃね、ところがその市長って、中国人の留学生にに金儲けさせてるってことで有名な市長なんだよ。」

「なんだい相変わらずの愛国心の無い政治家かい・・・、多くなったね全く、昔の日本じゃ考えられないことが、ホントによく起こる時代になったんだね」

「まったくね、日本っていう国が無くなっちゃうような事が起こっている気がするよ。」

「確かにね、道路むこうの湖じゃ、『外来種』っていう魚が多くなっちゃって、漁師さんたちも困ってるみたいだよ。」

「俺たちカラスの世界には外来者は居ないんだけどね、湖の周りに落ちてるエサがさ、口に合わないものが多くなったのはそのせいなんだ。」

「そっか、本当に住みにくくなってきてるんだなぁ・・・」

「人間の例えで、目上の人から白いカラスがいると言ったら『はい』と答えるようにって語ってた時代とは、今はどこかが違ってきてることの一つかもしれないね。間違っていてても金儲けのためなら、何でもかんでも自分が有利になる様にする時代なのかもしれないし、そんな人が『目上』に立ってしまっているという事なんだよね。」

「うんうん、俺たちアカテガニの世界では綺麗な赤色を持っていてても、泥をかぶれば黒くなるけど、雨が降ったり水が流れてる場所に行って体を洗って、綺麗な赤色にしてくるんだけどね、人間はそんな簡単に色を変えられないからね・・・」

「おかしいよね」

「確かにおかしい、そんな市長ならリコール運動でもしたりして、やめさせなきゃだめだよね」

情報屋のカラス

そこへ池の中から声がしてきました。
「人間は一人では生きていけないから『つるむ』、それが間違った方向へ進んでいってるんじゃ」
「長老!聞いてたんかい・・・」
長老と呼ばれたショクヨウガエルが池の周りの岩場に登ってきて言いました。
「さんきち、お前たちも仲間同士助け合うことも多いだろうけどな、人間には『選挙』というものがあって何をするんでもリーダーを選んで、正しい方向へ導くはずじゃったのにのぅ、それができなくなってきてるんじゃよ、そう間違った方向へ、そして何やら違うものがまじりあってと流されているんじゃ。この池に流れ込む雨水みたいに、上から下へと流れてくるその水が、濁ってドロドロした水に変わって来てるんじゃな・・・」
「じいさん、相変わらず良いこと言うなぁ、やっぱり長老はこんな時にこそ必要だぜ。」
とカラスの言葉、それを聞いて長老は語ります。
「儂らは人間みたいに選ばれてみんなを指図しているんじゃないからのぅ、永く生きて長く得てきた知識の中で、子どもや孫に話をしていくだけじゃからのぅ・・・」

この小さな池に住むショクヨウガエルの長老の言葉に、一つも二つもうなずくのでした・・・

長老

www.tsuchiya-masatada.com