BAMUのつぶやき

日本人だから感じること・・・

お寺では聞けない蓮如さんのお話 その7

『大坂』という言葉が、はじめて使われた時の『蓮如自筆の書』


現代経済界の歴史
高度経済成長を果たした『日本』においては、蓮如さんの布教活動が花開いたと言っても良いと思います。それは、有名な「近江商人」の成功の秘訣を調べていくと、先祖を祀り伝統を重んじていたことが良く判ります。家訓や店則に「和合」「出精」(精を出して働くこと)「不奢」(贅沢しない)「孝行」の言葉がよく出てきます。つまり、真宗の倫理観が受け繋がれていると思うのです。近江商人がよく口にする「三方よし」は「売り手よし、買い手よし、世間よし」で、この「世間」とは社会の事を指しています。売り手買い手の利益だけを求めるだけでなく、社会にも認められるような商売を行っていたのです。特に代表的なものが「陰徳善事」です。そう、「目に見えぬ陰の間に人のために」という事です。仏教の「自利利他」の教えから、商業上の利益を宗教上の『ご利益』として正当化していったことが挙げられるのです。この辺が、蓮如さんを「職業的宗教人」と呼び、宗教研究家や知識人から好まれなかった原因だと思われます。そして、逆に考えますと「非僧非俗」と自称した親鸞聖人とは、ここが違うところですから、江戸時代の上方商人に受け入れられたのだと思います。つまり、経済重視の現代において、ただの利益追求だけの商売ではなく、『心』のある行いがその商売に繋がる事を望むばかりです。欧米文化に追いつき追い越せの歴史を考えなおし、日本古来からある仏教の『精神文化』と融合した経済活動が大事なのではないでしょうか。

「商人」という経済の先端を行く『近江商人』(資料写真))